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クラシックギターの弦の種類と選び方とは?交換時期についても

クラシックギターについては、クラシックギター(ガットギター)とアコギの5つの違いクラシックギターの弦高の目安などの記事を書かせていただきました。

今回はクラシックギターの弦の種類と選び方についてご紹介してゆきたいと思います。

また、クラシックギターの弦の交換時期についてや、有名な(おすすめの)メーカーについてもご紹介したいと思います。

では早速見てゆきましょう!

ナイロン弦について

アコギ(フォークギター)では、金属製のスチール弦が使われますが、クラシックギターの場合は、ナイロン弦が使われます。

写真はYAMAHAのナイロン弦、NS110 Set:

クラシックギターは、ガットギターとも呼ばれますが、ガットとは腸という意味があります。

昔のガットギターは、羊の腸を弦として使ったのがはじまりで、腸=ガットなので、ガットギターと呼ばれるようになりました。

ただ、羊腸に変わって、経済的で長持ちする「ナイロン弦」が開発されてからは、ナイロン弦が主流(一般的)になりました。

この(クラシックギターに使われる)ナイロン弦ですが、6弦から4弦がナイロン(またはカーボンが使われることもある)を銅などの金属で巻いた巻弦(ワウンド弦)、3弦から1弦がナイロンやカーボンなどの弦となっています。

ナイロン弦の3つの種類と選び方

さて、ナイロン弦ですが、大きくわけると3つの種類があります。

それらが、

①ロー・テンション
②ミディアム・テンション
③ハイ・テンション

の3つになります。

これらは、弦の「張りの強さ」を表しているのですが、ナイロン弦の場合は、張りの強さ(テンション)で弦を選んでゆく形になります

ちなみに、アコースティックギター(フォークギター)の場合は、ゲージ、または弦の太さが張りの強さを決める形になります。

ナイロン弦のお話に戻りますが、このテンションですが、メーカーによってもその基準が少し違ってくることがあります。

例えば、ハイテンションの表示なのに、実際はそれほどテンションの強さを感じないモノも中にはあります。

その点はメーカーによっても違ってくるので注意が必要かも知れません。

ナイロン弦の種類という意味では、低音の巻弦(ワウンド弦)をコーティングすることで、弦の持ちを良くしたコーティング弦もあります。

また、ナイロン弦は、基本的にはボールエンドがなく、ブリッジ部分に弦を巻き付けて固定するのが一般的ですが、中にはスチール弦のようにボールエンドがついた弦もあります。

巻き付ける手間が省けるので、とても便利ですし、初心者の方など、まだ巻き付けることに慣れていない方などにもおすすめかも知れません。

下の写真はERNIE BALLのクラシックギター弦 ナイロンボールエンド。

弦の先端がボールエンド(↓)になっていて、弦をブリッジのところで巻き付ける必要がない。

次に3つの弦の種類とどれを選んだらいいのか?ということについて見てゆきたいと思います。

①ロー・テンション

ライト・テンションなどともいわれますが、張りが他の2つのタイプに比べて、弱い弦になります。

ローテンション(ライトテンション)の弦は、柔らかく落ち着いた音が特徴です。

この弦の利点は、何といっても弦を押さえやすいこと。特に初心者の方などにとっては弾きやすいと感じる弦だと思います。

一方、この弦の欠点は、音にハリがないことと、弦の振動が大きくなりやすく、ビビることがある点です。(弦をはじいた時に弦がフレットに当たり「ビリビリ・・」といったノイズが出ること)

このタイプは、最初に選ぶ弦としては適していないかも知れませんが、弾きやすさを求めている方の場合などはいずれは一度、試してみてもいいかも知れません。

②ミディアム・テンション(まずはコレを選ぶ!)

ノーマルテンションとも言いますが、一般的なクラシックギターの場合、最初に張られているのがこのミディアムテンション、またはノーマルテンションの弦になります。

弦を選ぶ際も、最初は、または迷った場合も、ミディアム(ノーマル)テンションがおすすめです

ミディアムテンションの弦の利点は、バランスがいいこと。

欠点とは違うかも知れませんが、ミディアム(ノーマル)テンションの弦は、ローテンションの弦よりも張りが強いので、弦を押さえるのに(ローテンションの弦よりは)多少力がいります。

また、ハイテンションに比べると、音のハリはないかも知れません。

③ハイ・テンション

ハードテンションとも言いますが、ハイテンションの弦は、他の2つのタイプに比べて、弦の張りが強くなります。

ちなみにメーカーによってはハイテンションよりも張りの強い、エクストラハイテンションの弦もあります。

このハイテンションの弦の利点は、音にハリが出ること。

一方、欠点は、弦を押さえるのに力がいること。そのため、初心者の方などにはあまり向かない弦かも知れません。

また、もう1つの欠点、または注意点は、ハイテンションの弦は張力が強い分だけ、ネックに多少負担がかかる点になります。

どれを選んだらいいの?

ここで少しまとめると、


・おすすめは → ミディアムテンション
・迷った時は → ミディアムテンション
・柔らかい音や弦の押さえやすさを求める場合 → ローテンション
・音にハリを求めるなら → ハイテンション

・・・になります。

ただ、ローテンションやハイテンションを選ぶ場合も、まずはミディアムテンションを試してからでもいいかも知れません。

とにかく、迷ったら、バランスのいいミディアム(ノーマル)テンションがおすすめです。

有名&人気メーカー

ここで少し、ナイロン弦を製造している有名、人気メーカーについてご紹介したいと思います。

1)D'Addario(ダダリオ)

写真はダダリオの人気弦、EJ45。ノーマルテンション。ユーザーの口コミでも非常に高い評価を得ている弦の1つです。おすすめ。

アメリカに本社のある世界的にも有名な老舗メーカーですが、業界初となる自動で弦を巻く機械を導入するなど、進化を続けているメーカーでもあります。

弦もクラシックギターのナイロン弦だけではなく、エレキギター弦、アコギ(フォークギター)の弦も製造している人気メーカーです。

D'Addario(ダダリオ)のナイロン弦の特徴は、安定性、耐久性、精度が高い点になります。

迷ったら、ダダリオでもいいのかなと思います。非常に人気のあるブランドです。

2)AUGUSTINE(オーガスチン)

写真はオーガスチン RED。ノーマルテンション。明るく伸びやかな響きが特徴で、非常に人気のある弦です。おすすめ。

世界で初めて、ナイロン弦を開発したメーカーとして知られています。

ダダリオと同じく人気メーカー、ブランドで、こちらも老舗メーカーです。

明るく伸びのあるミディアムテンションの「RED」や1954年の発売以降、ギターリストに愛され続けてきた「BLACK」など、人気製品も多い。

ダダリオと同じく、オーガスチンのナイロン弦もおすすめだと思います。

3)YAMAHA

写真はYAMAHAのNS110 Set。バランスがよく、リーズナブルな価格も◎ ユーザーからの評価も良い。

お馴染みの日本のメーカー。

クラシックギター弦のラインアップはそれほど多くはありませんが、安定感があって、とりあえずヤマハにしておけば・・という安心感のようなものはあります。

ちなみに筆者が一番最初に買ったクラシックギターの弦はYAMAHAのNS110 Set
でした。

安定したバランスのよい弦だと思いますし、特にYAMAHAのクラシックギターをお使いの方であれば、安心して使えると思います。

4)SAVAREZ(サバレス)

1770年に設立された、フランスのメーカーになります。

伝統的な製品は勿論、特殊なカーボンを使った弦や、製品によって低音弦に異なる性質を持たせるなど、革新的というか斬新なアイディアで製品の開発を続けるメーカーでもあります。

筆者の個人的なおすすめメーカーとしては、ダダリオかオーガスチン、またはYAMAHAですが、その次に試してみたいブランドかなと思います。

ナイロン弦の交換時期は?

さて、ここまでナイロン弦の種類や選び方、有名メーカーなどについてご紹介してきました。

最後にナイロン弦の交換時期について少し書いてみたいと思います。

ナイロン弦は消耗品ですので、ギターを弾くほどに、時間が経つほどに、少しづつ劣化してゆき、音や触った時の感触が悪くなってゆきます。

また、ナイロン弦の場合は、明らかにサビが見えたりするスチール弦と違い見た目にはそれほど劣化していないように見えることもありますが、実際は、目に見えている以上に(音などが)劣化している場合もあります。


ナイロン弦の交換時期の目安ですが、「1~3か月」が目安になると思います。

1か月程度で交換をすすめる専門家も多いですが、交換時期は練習頻度によっても変わってくると思います。

毎日何時間も弾く方の場合は、1か月も持たないかも知れませんし、そんなに何時間も毎日弾いたりしない方は1か月でも十分だと思います。

また、それよりも頻度、弾く時間が少ない方の場合は2~3か月を目安にしてもいいかも知れません。

筆者も一番最初にクラシックギターを購入した際、楽器店の店長さんに交換時期を聞いたところ、2、3か月に1回でいいですよと教えていただきました。

交換時期の見分け方ですが、日数以外では、

①音に違いを感じた時(伸びがなくなったり、違和感を感じた時)
②1~3弦に白い線のようなものが入った時
③4~6弦がサビた時

と考えておいてもいいかと思います。

一般的には、4~6弦は1~3弦に比べると劣化は早くなるかと思います。

また、これは、クラシックギターとアコギの違いでもご紹介しましたが、ナイロン弦はスチール弦に比べると、弦を張り替えてからチューニングが安定するまでに時間がかかります。(1週間以上かかることも)

その点は注意が必要かなと思います。