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クラシックギターの弦高の目安。高い、低い弦高の利点と欠点も

前回、クラシックギター(ガットギター)とアコギの5つの違いでは、クラシックギターとアコギ(フォークギター)の違いについて色々とご紹介させていただきました。

今回は、クラシックギターの弦高について、弦高の目安はどの位なのか?標準的な弦高はどの程度の高さ?といったことについて見てゆきたいと思います。

弦高は低い方がいいと考えられる場合もありますが、低すぎると、ビビってしまったり(弦をはじいた時に「ビリビリ・・」といったノイズが出ること)、音量が下がったりするなど、問題が出てくることもあります。

今回はそんな、弦高が低いこと、または、弦高が高いことのそれぞれの利点や欠点についてもご紹介してゆきたいと思います。

クラシックギターの弦高の目安

さて、最初にクラシックギターの弦高の目安、標準的な弦高についてです。

クラシックギターの場合は、

が一つの目安になります。


弦高とは、12フレットでの弦の下端からフレットまでの距離のことを言っています。6弦、1弦での数値を表すのが一般的です。フレットから弦の上端までの距離ではありませんので、注意してください。

弦高とは、下の写真のように、12フレットでの弦の下端からフレットまでの距離のことを言います。

これはあくまでも目安になります。ギターによって、または、弾き方によっても、ちょうどよい弦高というのは変わってくることがあります。

ただ、上記の目安であれば、恐らく多くの方が弾きやすいと感じるのではないかなと、思います。

専門家の中には、6弦で4.5mmがいいという方もいますが、ただ、特にこれからギターをはじめるという方の場合、その高さでは弾きにくいと感じる人も多いかも知れません。

6弦の弦高ですが、クラシックギターの場合、4.0mm以下になると、ギターによっては、ビビリやすくなることもあります

特にミニギターのように弦のテンションが弱いギターの場合は、弦高が低いとビリツキやすくなるかも知れません。

クラシックギターの弦高について知っておきたいこと

さて、弦高の目安についてご紹介しましたが、ここでクラシックギターの弦高について知っておきたいことについていくつか見てゆきたいと思います。

弦高を決める要素ですが、クラシックギターの場合は、サドルの高さ、ナットの高さが大きく関係してきます。(↓サドル)

後ほど簡単にご紹介しますが、弦高を調整する際も、サドルを削ることが一般的です。(ナットが高すぎる場合は、ナットを調整する場合もあります)

下の赤い丸で囲ってある白いパーツがナットになります↓

クラシックギターの場合ですが、鉄(スチール)の弦を張ったアコースティックギター(フォークギター)に比べると、全体的に弦高が高めに設定されているギターが多いです。

これは何故かというと、クラシックギターで使うナイロン弦の特性が関係していて、ナイロン弦の場合は、弦の振幅(振動する幅)が大きく、そのため、弦高を低く設定しすぎてしまうと、弦をはじいた時にフレットに当たって、ビビってしまうことがあるためです。

ですので、スチール弦を張ったギターよりもクラシックギターの場合は、弦高が多少高めに設定されているギターが大半になります。

ただ、弦高はスチール弦を張ったアコギよりも多少は高くなりますが、ナイロン弦はスチール弦に比べるとやわらかく、それほど、テンション(弦が張ってある強さ)を感じないので、弦高が高くなったからといって、弾きにくいということは基本的にはないと思います。

むしろ、ナイロン弦のクラシックギターは弦を押さえやすいと感じる方が多いかも知れません。

弦高の測り方、グッズ

弦高の測り方ですが、弦高は冒頭でもご紹介した通り、12フレットでの弦の下端からフレットまでの距離になります。

下の赤い丸の部分を拡大します。

拡大しました。この↓の距離、12フレットでの弦の下端からフレットまでの距離が弦高になります。

その距離を6弦と、それから1弦で測ってみてください。

弦高は、フレットの頂点の部分から、弦の下端までの距離で、弦の上端までではないので、注意してください。

弦高を測る際ですが、普通の定規ですと、余白があって使えないこともあったりします。

こんな風に、定規の端から「0」のところまでに余白があるので、定規をフレットに当てても弦高が測れないことも。

これは、筆者が使っているグッズですが、「ストリングアクションルーラー」という弦高測定用のグッズもあります。

このようにギターのネック(フレット)に当てて使うのですが、弦高が一目でわかってとっても便利です。

こういった弦高測定グッズは他にもいくつかあったりしますので、弦高を測る際は、そういったグッズを使うのもおすすめです。

弦高が低いことの利点と欠点

さて、ここで少し話は変わりますが、弦高が低いことの利点と欠点ついて考えてみたいと思います。

弦高が低いことの利点は、何といっても、弾きやすくなる(弦を押さえやすくなる)という点になります。

クラシックギターを買ったけど、弾くのが難しくて、ギターの練習を途中でやめてしまっていた知人がいるのですが、ギターを見せてもらったら、弦高が4.5mmありました。

これだと弾くにくいと思ったので、お店に持って行ってもらって、ビビらないように注意しながら、3.5mm程度に調整してもらったら、各段に弾きやすくなって、弾くのが楽しくなったそうです。

一方、弦高が低いことにも欠点がいくつかあります。

その1つは、ビビりやすくなる・・という点です。

弦高を下げる場合は、ビビってしまうリスクもありますので、ご自分で弦高を下げる場合は注意が必要です。

リペアの専門家の場合はその点は熟知されていますので、「弦高を下げて弾きやすくしてください」と伝えるだけでOKだと思います。

2つ目の欠点は、音量が小さくなるということになります。

弦高を少し高めにした方が、ギターの本来の生音を楽しめると感じる人もいます。

弦高が高いことの利点と欠点

次に弦高が高いことの利点と欠点です。

弦高が高いことの利点は先ほども書かせていただきましたが、音が良くなるということです。

弦高が高くなると、弦の張りも強くなり、振幅も大きくなるので、良い音になりますし、音量そのものも上がります。

欠点は、やはり、弾きにくくなる、弦が押さえにくくなる・・という点でしょうか。

さて、ここまで、弦高が低いこと、高いことの利点と欠点を見てきました。

じゃあ、結局、弦高は低い方がいいか、高い方がいいのか・・?

・・・ということですが、これはその人の弾き方によっても変わってくるかも知れません。

クラシックギターでも弾き方は色々あって、コードをストロークでガンガン弾いてもいいわけですが、その場合は、弦高をあまり低くしてしまうと、ビリツキが起こりやすいので、注意した方がいいかも知れません。

一方、フィンガースタイルで弾く・・という方の場合は、弦高は低めでもいいかも知れません。

また、これからギターをはじめるという方、または、ギターをはじめたばかりの初心者の方であれば、ビビらない範囲で弦高をできるだけ低くすると、弾きやすくなると思います。

迷った時は、ビビらない範囲で弦高を低めに設定することがおすすめです。

弦高調整について

最後に弦高の調整についてです。

お持ちのクラシックギターの弦高が高すぎる場合ですが、その場合はサドルを削って低くするのが一般的だと思います。

また、弦高が高い場合は、サドルだけではなく、ナット(ナットそのものやナットの溝など)を削って弦高を下げることもあります。

弦高調整は自分でもできますが、まだやったことのないという方の場合などは、楽器店に頼むのがベストかなと、思います。

簡単にできるので、お店に頼めばすぐに対応してくれると思います。

弦高が低すぎる場合ですが、サドルだけでも販売されていますので、そういったものを購入して自分で調整する方法もあります。

ただ、結構大変な作業なので、やはり基本的にはお店に頼むのがベストかなと、思います。